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60年代後半生まれの独身女が日々考えたことをつづります


by kiriharakiri
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公務員の誇り

公務員以外の方はまずご存じないと思うが(公務員でも知らない人が多いかも)、地方公務員の公務災害(労災)関係のあれこれをやっている地方公務員災害保障基金というところから『月刊 災害補償』というものが刊行されている。内容は、(当たり前だが)公務員の災害補償に関することだ。例えば、こういう事例が公務災害として認められた―とか、こういう事例は認められなかった―といったことなどが載っている。

この雑誌(と言っていいのか?)の最新号2005年9月号の「巻頭言」というコーナーに元地方公務員災害補償基金事務局長で現在は財団法人自治体国際化協会(←こんな財団法人があるのね)ロンドン事務所長の内貴滋さんという方が書いていた内容に「うん、うん」と同意してしまったので、そのことについてちょっと書こうと思う。(今日の私は「公務員」全開モードだな。)

何に同意したのかと言うと、「公務を担っている人々を励まし勇気付けることは(中略)大事なことではないでしょうか」という意見に、なのだ。

この「巻頭言」では、今年7月7日のロンドンでの地下鉄・バス爆破事件のことが取り上げられている。恐ろしい爆弾テロ事件はまだ記憶に新しいが、このときの英国政府の対応、野党やマスコミの態度、そして人々の様子について内貴氏はこう書いている。

「このような危機のとき、日本では、すぐ、責任問題の追及がはじまる」が、「英国では、対応責任者・専門家が対応を任され、首相はじめ与党はもとより野党もマスコミも全面的に当局の緊急対応を支持」する。「国民も(中略)いつ来るかしれない交通機関を静かに待ち続け」る。

そしてこういったことの具体例の一つとして紹介されているのが、災害が起こったときに指導者が必ず演説の始めに、「多くの場合、被害者へのお見舞いの言葉より先に」言うという、以下のような言葉だ。「今、まさに厳しい状況の中で、自らの命をかけて、救助活動を行っている消防、警察、公務員の皆さん、私はあなたがたの勇気ある行動に国民を代表して感謝するとともに、あなたがたを誇りに思います。」

内貴氏はこう書いている。「公務員がやりがいと誇りを感じる瞬間です。」

まさにそうだと思う。日本では公務員は世間からの風当たりが強い。災害があったときには勤務時間外でも当然すぐに役所や現場に駆けつけて、住民の皆さんの生命・財産を守るのだと教えられてはいるが、そんな公務員に待っているのは、公務員を減らし給与水準を下げて国や地方の巨額の赤字解消だ!と主張する政治家やマスコミによる攻撃である。公務がたたえられることなどない。

内貴氏はさらにこう書いている。日本では「公務の執行は当たり前でありむしろ、逆に失敗をあげつらうことが多い」。「的確な批判は必要」だが「時には公務を担っている人々を励まし勇気づけることはさらに大事なことではないでしょうか。」

まったく、その通りではないか。私なども、公務員であること自体が悪のように捉えられているような気がして自分の仕事に誇りを持つのは難しいと感じることがある。人が自分の労働に価値を見出すというのは、仕事の質を高め、ひいては組織全体の活力アップのためにも非常に重要なことだと思うのだが・・・それこそ相対的人事考課制度の導入などよりもっと大切かつ効果的ではないか、と。どんなもんでしょ。


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by kiriharakiri | 2005-09-22 23:42 | 職場・仕事・働く