人気ブログランキング | 話題のタグを見る

60年代後半生まれの独身女が日々考えたことをつづります


by kiriharakiri
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

私にとってのロンドン

あなたにとってのロンドンは?

というのが、エキサイトブログの「今週のトラックバックテーマ」、ということで今日はちょっと「私にとってのロンドン」について書いてみようと思う。

先日(7月7日)も書いたように、ロンドンは外国の街の中で私が一番親しみを持っている街だ。でも長期にわたって滞在したことはない。ロンドンには6万人以上も日本人が住んでいるそうで、6万分の1になら私だってなんとかなれそうなものなのに、なれなかった。残念だ。

長期滞在の経験はないが、短期間の訪問を何度も繰り返しており、ロンドンに何度行ったことがあるのか自分でも正確には把握していない。ロンドンを訪れるたびに通うナショナル・ギャラリーでは、どこの部屋のどこの壁にどんな絵が飾ってあるかまで覚え始めており自分でも呆れている。

と言うわけで、ロンドンをネタにした作文ならいくつも書けると思うのだが、それを延々とブログ読者の皆様に披露しても退屈なだけだと思うので、二つほど厳選(?)してみた。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ロンドンの思い出 その1 ロンドン・アイ

ロンドン・アイとは、多分ご存知とは思いますが、ミレニアムを記念してテムズ川のほとりに作られた大観覧車のこと。私はこれに乗ってみたかった。が、連続して3度も、この観覧車には振られた

1回目は、予定通りであればロンドン・アイは操業開始しているはずだったのに工事が遅れて操業延期となっていて乗れず。ほぼ出来上がっていたロンドン・アイを見るだけで終わった。

2回目の挑戦。ロンドン・アイは操業を始めており人気の新観光スポットとして話題になっていた。営業しているんだから絶対に乗れるぞと思っていたら、観光シーズンだったせいもあってか、もう大混雑。何日分も先までチケットは売り切れていて短期滞在の私は涙を飲んだ。

3回目は、今度はオフ・シーズンだったので今度こそ絶対に乗れるはず「三度目の正直!」と勇んで乗り場に行くと―――そこには閉じた扉に「ANNUAL MAINTENANCE」と書いてある看板が!そんな馬鹿な・・・オフ・シーズン過ぎたか・・・青く晴れ渡った空にロンドン・アイのゴンドラが日を浴びてピカピカ光っていた・・・。

と、こんな調子で3度も失敗。今度こそ、ちゃんとインターネットで下調べしてチケットも前もって用意して臨むぞと心に誓っているが、今のところ渡英の予定はない。


ロンドンの思い出 その2 WELCOME TO LONDON!

その時、私は大英博物館を目指して歩いていた。大英博物館へ行くのは初めてではなかったが、しっかり道に迷った。(私はかなり方向音痴で、知らない外国で地図を見ながらの一人歩きなぞするべきではないのかもしれないが止められない。)

私はラッセル・スクエアにたどり着いた。そこから大英博物館は目と鼻の先、のはずなのだが東西南北の感覚がおかしくなっていたためどちらに行けばいいのか分からない。地図をひっくり返して四苦八苦していると、一人の女性が私に声をかけてきた。

「どうしました?」 年のころは30歳前後か、スーツを着てスラリとしたなかなか素敵な女性だった。

外国に行ったら「向こうから声をかけてくる人物には気をつけろ」という鉄則(?)がある。観光地で不用意に地図を広げるな、とも言われている。路上で地図を広げてウロウロしているおのぼり外国人観光客にわざわざ声をかけてくるのは下心がある人だ、というわけ。この女性ももしかしたら私の気をそらして財布でもひったくろうと企んでいるのかもしれない。

でも私は道が知りたい。用心しつつも私が大英博物館の場所を尋ねると、地図上で私たちがいる場所を指し示してくれて(ラッセル・スクエアと言うのは文字通りに四角い場所なのだが、私は自分がこの四角のどの位置にいるのかを把握できていなかった)、こっちの方向へ行けばいいと道を教えてくれた。やれやれ助かった。財布もすられていない。彼女は親切を装う盗人などではなく本当に親切な人だったのだ。

「どうもありがとうございます」と私はお礼を言った。「どういたしまして」という決まり文句が返ってくると思いきや彼女は私にこう言った。

WELCOME TO LONDON!

―――格好いい!こんな風に「ロンドンへようこそ!」なんて言ってもらえるなんて思ってもみなかった。私はすっかり感激してしまった。

それ以来、私は日本で困っている外国人を助けてお礼を言われたら「ウェルカム・トゥ・トーキョー!」って言うんだと決めているのだが、未だに困った外国人を助けたことは無い・・・。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

先週の爆発事件の現場のうちの一つはラッセル・スクエアのすぐ近くだ。爆発は懸念されていたとおり西ヨーロッパで初の自爆によるもので実行犯は英国生まれの英国人という英国にとって最悪のシナリオが現実になってしまった。ムスリムの将来有望な若者が無差別大量殺人を肯定する思想に心酔する―――これをなんとか止めなければ。英国の社会がこういう若者を作りだしてしまったのだとすれば、社会を変革しなくてはならない。変革というのは簡単にできることではないだろうが、これから英国の社会がどう動くのか、気になるところだ。

爆弾テロ実行犯は自国人、というのを聞いて私はオウム真理教のサリン事件を思い出した。日本の社会が生み出してしまったオウムの若者たち。そんな日本の社会をどういう風に変えればいいのかという声は上がったと記憶しているが、結局うやむやになってしまったようだ。根本的なところのテロ対策はとられていないのだ・・・。

命の心配をしなくても歩けるようなロンドンであってほしい。ロンドンだけではなく世界中の何処もが命の心配をせずに歩けるようになってほしい。切に願う。
by kiriharakiri | 2005-07-14 21:03