60年代後半生まれの独身女が日々考えたことをつづります


by kiriharakiri
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『椿姫』あらすじ

『椿姫』、ゼッフィレッリ監督のオペラ映画とクライバー指揮のCDとを交互に聴いています。やっぱり演奏はクライバーのCDの方がよいようで・・・。まあ、それはともかく、これまで「『椿姫』はあんまり・・・」とか言っていた自分に、このオペラの素晴らしさを見せつけてくれたゼッフィレッリのオペラ映画には感謝感謝です。

別に音楽ブログでもないのに、こうしてオペラのことを書き散らかしていると「何書いてるわけ?」とか思われてるだろうなーと気になって、ついついあらすじを書きたくなってしまう私・・・。『椿姫』のあらすじも書いてみました。

さらに、このオペラ映画からの動画をユーチューブで探してみたところ幾つかあったので、リンクしてみました。画像の質はいろいろです(悪いのが多いかな)。ゴールデンウィークだし時間と興味のある方は是非ともクリックをば。(水色の文字をクリック!)


『椿姫』

作曲 ジュゼッペ・ヴェルディ
初演 1853年

舞台 1850年頃のパリとその近郊

主な登場人物
ヴィオレッタ・ヴァレリー:ドゥミ・モンドの女(貴族をスポンサーにもつ高級娼婦)(ソプラノ)
アルフレード・ジェルモン:プロバンス出身の青年(テノール)
ジョルジョ・ジェルモン:アルフレードの父親・金持ち(バリトン)
フローラ・ベルヴォア:ヴィオレッタのドゥミ・モンド仲間(メッゾ・ソプラノ)
ドットーレ・グランヴィル:医師(バリトン)
ガストーネ子爵:アルフレードの友人(テノール)
ドゥフォール男爵:ヴィオレッタのパトロン(バリトン)


前奏曲・・・映像は、肺結核が進行して寝込んでいるヴィオレッタの屋敷。パトロンに見放され、屋敷内の調度品がどんどん差し押さえられている様子。オペラではヴィオレッタが寝込むのは第3幕冒頭という設定なので、この映画では第1幕、第2幕を病に伏せったヴィオレッタの「回想」としているわけです。ゼッフィレッリの(いや、もしかしたら誰か他の人のかもしれないけれど)いかにも映画的なアイデア。


第1幕:ヴィオレッタの屋敷

ヴィオレッタの屋敷で華やかなパーティーが開かれている。ガストーネ子爵がアルフレードを連れて来てヴィオレッタに紹介する。酒の席で1曲歌うよう促されたアルフレードは「乾杯の歌」を歌う。

乾杯の歌・・・超有名曲。絶対に聞いたことがあるはず!豪華絢爛なサロンの様子も見もの!

その後、ダンスをするため皆は別室に移るが、ヴィオレッタは気分が悪くなり(既に彼女を蝕んでいた結核のせい)一人残る。そこへアルフレードがやって来て、1年も前からヴィオレッタのことを想っていると愛を打ち明ける。ヴィオレッタは最初は鼻で笑って相手にしないが、あくまでも真剣に彼女への想いを語るアルフレードにだんだんと心を動かされる。

ヴィオレッタへの愛を歌うアルフレードと、いえいえ私なんかお忘れなさいと言うヴィオレッタの場面。ここでの音楽、とても好きです。また、映画の場面としても気に入っています。

このときのアルフレードの歌の中の

Di quell'amor ch'e palpito
Dell'universo intero,
Misterioso altero
Croce e delizia al cor

その恋、それは
全宇宙の鼓動であり、
神秘的で誇り高く、
心には苦悩となり、歓喜となる

という部分、この歌詞とメロディーはとても印象的です。(私は時々このフレーズを歌いたくなります!)


ヴィオレッタがアルフレードに一輪の花を渡し、この花が萎れたらまたいらっしゃいと言うと、アルフレードは「では明日にも!自分は幸せだ!あなたをすごくすごく愛しています!」と喜び一杯で帰ってゆく。空が白み始め他の客も帰り、一人になったヴィオレッタはアルフレードへの揺れる想いを歌う(「そはかの人か」「花から花へ」)。

「そはかの人か」では、娼婦の自分にまじめな恋が出来るのかと自問しつつも、でもあの人こそは自分が密かに待ち望んでいた本当の恋の相手ではあるまいか、等などとヴィオレッタはアルフレードとの恋を真剣に考え始めます。この歌の中で前述の「その恋、それは全宇宙の鼓動であり・・・」を彼女も歌います。

この歌の場面をユーチューブで探しましたが、このオペラ映画からのものは見つけられませんでしたので別の人(マリア・カラス)が歌っているのをリンクします。(この動画の前半が「そはかの人か」で後半がこれから紹介する「花から花へ」です。)

しかし「そはかの人か」を歌い終わるとすぐに「フォリーエ!フォリーエ!(=馬鹿なことを!)」と叫び、「娼婦の自分が真面目な恋!?いつも自由で喜びから喜びへと飛び回るのよ!快楽だけを求めて人生の表層を生きればいいんだ!」と半ば自暴自棄に歌い(「花から花へ」)、真剣な恋など自分には無縁のものとアルフレードへの恋心を否定しようとします。でも途中で前述のアルフレードの歌「恋、それは全宇宙の鼓動であり・・・」が何度も聞こえてきたりして(オペラのト書きでは「バルコニーの下から聞こえてくる」とあるのですが、この映画では「彼女の心の中の声」のようですね)、ヴィオレッタの思いが千路に乱れているのが分かります。



第2幕第1場:パリ郊外のヴィオレッタの別荘

結局ヴィオレッタはアルフレードとの愛を選び、パリ郊外の田舎でアルフレードと暮らしを始めて3ヶ月が過ぎた―――

ということが、冒頭のアルフレードの歌(「あの人のそばを離れて喜びはない」/「私のたぎる心の」)で明らかになります。この歌では、ヴィオレッタが自分を愛してくれ、自分のために派手な高級娼婦としての生活を捨て、ここで幸せそうにしていること等が歌われ、二人が幸せ一杯に暮らしていることが伝わってきます。この映画では、この歌が歌われているときに二人の仲睦まじい田舎暮らしの様子が映し出されてます(この場面も気に入ってます)。映画であることの利点を最大限に使っている!と唸りました。舞台やCDではこうはいきません。

アルフレードは、ヴィオレッタが自分との生活のために財産を処分しようとしているのを知り、そんなことも知らずにのうのうと暮らしていたのかと自分を恥じ、まだ今なら売り払おうとしているものを取り戻せるだろうと、ヴィオレッタには内緒で急いでパリへ出掛ける。

アルフレードが留守にしている間に、アルフレードの父ジョルジョ・ジェルモンがやって来る。彼はヴィオレッタがアルフレードをたぶらかし、お金まで巻き上げようとしていると思い込んでおり彼女に無礼な態度をとるが、彼女がアルフレードとの生活のために財産を処分しようとしていることを知り態度を和らげる。

しかし、ジェルモンはヴィオレッタにアルフレードの妹の縁談に差し支えるのでアルフレードとは別れてくれと切り出す。ヴィオレッタは、絶対に出来ない!アルフレードを深く愛している!アルフレードとの愛が自分にとっての全てだ!と訴えるが、ジェルモンも一歩も引かない。さらに、男は浮気だしヴィオレッタの色香が衰え倦怠期が来たら二人の関係はどうなるか考えてもごらん、そんなことになるくらいなら我が家の慰めの天使になってくれ云々と彼女を説得する。

ヴィオレッタは娼婦だった過去は消せないのだと苦悩しつつ、アルフレードとの別れを承知する。ヴィオレッタはジェルモンにアルフレードの妹には彼女のために犠牲になった女がいると知らせてくださいと頼む。ヴィオレッタの人柄にすっかり感銘したジェルモンは彼女に「あなたに何をしてあげられるか?」等と言う。ヴィオレッタは彼女の苦悩、愛ゆえの犠牲をいつかアルフレードに伝えて欲しいと頼む。

ジェルモンが去った後、ヴィオレッタはアルフレードへの別れの手紙をしたためる。そこへアルフレードが帰ってくる。アルフレードは自分の父がパリへ出てきており、ここへも来るだろう、でもきっとヴィオレッタのことを気に入るはずだと話す。ヴィオレッタは非常に動揺し涙を流す。アルフレードの父が来るなら自分は席を外すと言い、感情を抑えきれない様子で「アルフレード、私を愛して!私があなたを愛しているように愛してちょうだい!・・・じゃあね!」(アーマーミ・アルフレード!アーマミ・クアンティオ・ターモ!・・・アッディーオ!)と歌い、庭へ走り出る。ヴィオレッタにしてみればアルフレードへの別れ・さよならの挨拶である。

この部分の映像がこれです。「アーマーミ・アルフレード!アーマミ・クアンティオ・ターモ!」のメロディーは、このオペラの前奏曲にも使われています。とても印象的です。

映画『プリティ・ウーマン』でジュリア・ロバーツがリチャアード・ギアに自家用ジェット機だったかでオペラに連れて行ってもらう場面がありましたが、ここに出てきたオペラハウスがサンフランシスコ・オペラで出し物が『椿姫』。あざといなー、リチャード・ギア(と言うか、このお話の作者)、と思いましたよ。だってジュリア・ロバーツはコール・ガールという設定なのですから!私はサンフランシスコ・オペラの『椿姫』で泣けませんでしたが(笑)、ジュリア・ロバーツがこの「アーマーミ♪」の部分で涙をポロリと流した場面は記憶によく残っています。


ヴィオレッタは急いで出掛けてしまい、アルフレードには彼女からの手紙が届けられる。それは彼女からの別れの手紙であった。アルフレードは裏切られたと思い激怒する。そこへジェルモンがやって来て故郷プロヴァンスへ一緒に帰ろうと言うがアルフレードは全く聞く耳を持たず、「復讐だ!」と去っていく。


第2幕第2場:フローラの屋敷

フローラの屋敷では賑やかに仮面舞踏会が開かれている。ジプシーの女の格好をした女たちや、マタドールやピカドールの格好をした男たちが現れパーティーを盛り上げる。

この場面がコレです。ここはパーティーの華やかさを見せる場面(だと思う)で、直接にはストーリーと関係ありません。バレエを踊っているのはボリショイ・バレエ団にいたマクシーモワとヴァシリーエフということです(私は名前を知りませんでしたが)。

そこにアルフレードが一人でやって来る。続いてヴィオレッタがドゥフォール男爵と一緒にやって来る。ヴィオレッタはアルフレードが来ていることに気付き動揺する。一方、アルフレードは賭けトランプで勝ち続ける。言わば恋敵であるアルフレードのことを(当然)面白く思っていないドゥフォール男爵が賭けトランプに加わるがアルフレードが勝ち続ける。アルフレードとドゥフォール男爵の二人があまりに険悪な雰囲気なのでヴィオレッタはどうなることかと生きた心地もしない。

賭けトランプが終わるとヴィオレッタはアルフレードに声をかける。アルフレードはとげとげしくヴィオレッタに皮肉を言うが、ヴィオレッタはアルフレードにドゥフォール男爵に殺されてはいけないからこの場を去るようにと頼む。アルフレードはヴィオレッタが自分の後を追ってくると誓うなら去ると言うが、アルフレードと別れると神かけて誓ったので出来ないと答え、誓った相手はドゥフォール男爵だと嘘をついてしまう。

いよいよ激高したアルフレードは皆の前で「ヴィオレッタへの借りを返す!」と彼女に賭けで得た札束を投げつける。皆はアルフレードを激しく非難する。いつの間にか来ていたジェルモンも息子のしたことを咎める。アルフレード自身も嫉妬と怒りに任せた自分の行いを後悔する。ヴィオレッタはアルフレードにいつか分かってくれる日が来るでしょうと静かに訴えかける。

ヴィオレッタに呼ばれたアルフレードが彼女のところへやって来る場面からアルフレードがビオレッタに札束を投げつけるまでの場面がコレ。ヴィオレッタとアルフレードの緊迫したやり取り。ヴィオレッタはひたすらアルフレードのことを思って心配しているけれど、怒りに燃えるアルフレード。でもヴィオレッタを取り返したい。(アルフレードがヴィオレッタのベールを剥ぎ取り乱暴に揺さぶる場面が「ここを去るけれど、自分の後を追うと誓ってくれ」と迫っている場面です。)ドミンゴの怒る演技はかなり恐い。


前奏曲・・・第1幕前の前奏曲と似ていますが、第1幕前の前奏曲にはあった明るい旋律はありません。すごく暗い。あぁ、ヴィオレッタ死んじゃうんだな、ヴィオレッタとアルフレードの仲を死が分かつんだな、と思わせます。

第3幕:ヴィオレッタの屋敷(寝室)

ヴィオレッタは肺結核が進行し、力なくベッドに横たわっている。医師はヴィオレッタには希望を持てと言うが、実は時間の問題だと家政婦には打ち明ける。ヴィオレッタはジェルモンからの手紙を読み返す。手紙には、アルフレードとドゥフォール男爵が決闘して男爵が怪我をしたが快方に向かっていること、今アルフレードは外国にいること、ヴィオレッタの犠牲はアルフレードに伝えたので詫びに行くだろう、自分もヴィオレッタのところへ行く―――といったことが書かれている。

だがアルフレードはいつまで待ってもやって来ない。ヴィオレッタは何もかも終わりだと絶望する(「すぎし日よさらば」)。外からはカーニバルの仮装行列が楽しげに行進する歌声が聞こえてくる。そのとき家政婦が急いでやって来てアルフレードが来たことを伝える。再会を喜ぶ二人。パリを離れて二人で一緒に暮らそうと歌う(「パリを離れて」)。

カーニバルの音楽から「パリを離れて」までの部分がコレ。(カーニバルの部分は無しで再会の場面から「パリを離れて」までの部分だったらこっちの方がまだ画像がキレイかな?でも是非家政婦がアルフレードの来訪を告げる場面から見てほしいです。)感激の再会の場面、私はカタルシスを感じます・・・。「パリを離れて」では二人はヴィオレッタがすぐ死んでしまうとは知らずに、パリを離れて一緒に暮らそう、ヴィオレッタは健康を取り戻すだろう、未来が微笑んでくれるだろう等と歌っています。それ悲しい。

しかしヴィオレッタは既に瀕死の状態で、彼女の病状がそんなに進んでいるとは知らなかったアルフレードは愕然とする。ヴィオレッタはアルフレードが戻ってきた今、まだ生きていたい!と願うが、死がそこまで来ていることは自分でも承知している。そこへジェルモンと医師がやって来る。ジェルモンは今にも死にそうなヴィオレッタの姿を見て二人の仲を引き裂いたことを激しく後悔する。ヴィオレッタはアルフレードに自分の絵姿を渡し、花の盛りの乙女が彼に心を捧げたなら彼女を妻にして、そしてこの絵姿をあげて、それが天上から彼女とアルフレードのために祈っている者からの贈り物だと伝えて欲しいと頼む。

ヴィオレッタは突如「不思議だわ・・・苦しみの発作が止まった!体の中からいつもと違った力が生まれている!自分は生きられるのだ!嬉しい!」と言い、倒れこみ死んでしまう。その場にいた一同は悲嘆にくれる。

ヴィオレッタの最後の言葉「不思議だわ・・・」のバックには「恋、それは全宇宙の鼓動であり・・・」のメロディーが静かに流れます。なんとも暗示的です。

end
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by kiriharakiri | 2008-05-05 11:50 | 音楽♪