60年代後半生まれの独身女が日々考えたことをつづります


by kiriharakiri
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映画『おくりびと』&私の数珠~

今更ですが、私も『おくりびと』観てきました。よかったです。万人にお勧めです。

話はめちゃくちゃ予定調和です。サプライズは、冒頭、オーケストラ奏者を諦め(ううう、誰かみたい)、故人の母が残した故郷の家へ妻を連れて帰った主人公が、「何か仕事ないかなー」と求人広告欄を見ていて、実労わずかで高給保証の「旅のお手伝い」をする会社というのを見付け、そこへ行ってみたら、なんとそこは「旅のお手伝い」ではなく「安らかな"旅立ちのお手伝い"」―――納棺をする会社だった!というところくらい。その後は映画を見ていて殆どいっつも「次はこうなるんだろうな~」という推測どおりに話は進みます。まったくもう最後の最後まで。

でも、この映画はそれでいいんだと思います。予定調和で話が進むうちに、死出の旅立ちとか、死ぬこととか、生きることとか、そういうことを考えさせ感じさせる、それがこの映画なのだと思います。「おくりびと」という言い方(呼び方)も素敵だなぁと思いました。誰が考えたのかしら?でも、遺体を直接に扱うのが納棺師=「おくりびと」だとしても、考えてみれば生き残っている人全員が「おくりびと」ですよね。

そうだ、予定調和で冒頭以外サプライズ無しと書きましたが、もう一つサプライズがありました。それは納棺師に対する偏見や差別。驚きました。主人公と町中で会った旧友は一緒に歩いていた自分の妻子を主人公に挨拶なぞしなくていいみたいなそぶりで先に歩かせ、「町で噂になている。もっとマシな職業に就け」みたいなこと言います。納棺の場でも、死んだ娘の親が娘の不良仲間(恐らく一緒に事故に遭って彼女だけが死んだと思われる)に「あの人(←主人公)みたいな職業に就いて一緒償いをするのか!?」なんて言う。別に主人公は何かの「償い」のために納棺師やってるわけじゃないのに・・・。そして極めつけが妻で、夫が納棺師をやっていると知り、納棺師を辞めないと告げられると激怒。実家へ帰ると言って出て行こうとする妻の腕を主人公が掴もうとすると「穢らわしい!触らないで!」。穢らわしい・・・あんまり使わない言葉です。この妻はその数ヵ月後に妊娠が分かったと言ってちゃっかり帰ってきたときも「子供も出来たし、子供がいじめられるかもしれないし、だから納棺師辞めて。」みたいなことを言う。うーん。これ、実際に納棺師の方が書いた原作があるわけですから、恐らくその原作の中にも差別や偏見のことが出ているのかな。・・・そんなにイヤな職業ですか?死に関わるから?死は穢れているから?そんなぁ・・・って、ちょっとショックでした。でも、この映画がこんなにヒットして、評価されて、そうしたらこういう「死に関わる」職業に対する差別や偏見を減らすのにも効果あるかも。この映画のもう一つの効用じゃないかと思います。

あ、それから全くの余談ですが、広末涼子サンは・・・ちょっと・・・。誰が彼女をキャスティングしたのか?あれは監督さんが指示した演技なのか?それとも彼女が演じると何でもああなるのか?(私は彼女の出演するドラマも映画もこれまで何も見たことがない。)映画の中で彼女だけがとっても・・・下手な感じで。でもアカデミー賞授賞式には派手なドレスで出席してたし。なんか、あちらでは映画関係者にモテモテだったとかいう記事も読んだし。(外国人から見ると彼女みたいな人が可愛い理想の日本人女性なのか?)

それはさておき。私は(母方の)祖母の納棺に立ち会えなかったのが今でもすごく残念です。母は一足先に実家(祖母の家)に行っていたので立ち会うことは出来ましたが、やっぱり「どうしてあんなにサッサと納棺しちゃったのかしら!?もっと皆(親族)が集まってからでよかったのに!」と憤慨していました。遠方に住む親戚も多いんで集まるまでにどうしても時間がかかってしまうんですよね・・・。ま、祖母の実家の都合もあったのでしょう・・・。

で、このとき私は数珠を持っていませんでした。数珠無しで葬式。

その後も「数珠ぐらい持っていてもいいよなー」と思いつつ、放ったらかしだったのですが、あるとき友人と日光へ行き、そのとき輪王寺でお坊さんから数珠の話がいろいろあって、「ああ、やっぱり数珠買おう」と思ったのでした。数珠に関するお話の内容は殆ど忘れてしまっているのですが、死んで棺に納められたときに手にするものなので燃える素材のものがよい」といった内容のことをおっしゃっていた、という記憶があります。

で、輪王寺で数珠買ってきました。コレ↓。値段はかなり安め、素材は忘れましたが、とにかく木です。
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しかし地味。とにかく地味。なんかやっぱりもっとオシャレなのが欲しいかも~と煩悩全開な私。と言っても、わざわざ買いに行こうとまでは思わず。それが昨年の夏、京都清水寺へ行ったとき、清水坂を歩いていると数珠屋さんが!

店の手前の外に近い方には安い数珠。店の奥に行くに従って高い数珠が並んでいます。「あっ、何かいいのありそう!?」ということで店内を見て回りました。お店の人がいろんなもの(価格はお手頃)を勧めてきますが、日光での「燃える素材のものを」という話が頭にあるので、「燃えるやつ~、燃えるやつ~」と思いつつ探していました。

で、非常に心惹かれたのがコレ↓です。
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何で出来ているか分かりますか?数珠のアップ↓。
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鶉の卵みたいなプツプツの模様です。これ、菩提樹の実なのだそうです。「おお、菩提樹の実なら燃えるじゃない!?」。それに木は木でも、菩提樹ってのがいい。房の色はピンクもあったのですが、断然この若草色が気に入ってこれに決定。使っているうちに、実の色がだんだん飴色になってくると言われました。

せっかくですので数珠入れも購入。京都ですから西陣織りで。(だって帯とか変えないもん・・・。)房と似たような色合いの数珠入れの中から迷った末に鳳凰の柄にしました。鳳凰って、なんだか好きです。
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それにしても、これも含めて、お店にある数珠入れはみんな派手。お店の人に「葬式に持って行くのに、こんなに派手でいいんですか?」と聞いてみたら、「いいんですよ。お坊さんの袈裟だって派手でしょう?あれと同じです。」と言われました。・・・本当だろうか。

しかしその後一度も葬式に行っていないのでまだ使ったことはありません。また、私は時々このブログでも書いているように「改宗」問題を抱えておりますので、死ぬときにこの数珠を使うことになるかは分かりません。今死ねばコレ使うことになりますが。

まあ、とにかく。今日は結構いい映画を観たな~ということで。
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by kiriharakiri | 2009-03-09 23:52 | 感想文