60年代後半生まれの独身女が日々考えたことをつづります


by kiriharakiri
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コルセットを切り、羽飾りを切り、長い裾を切り・・・結婚を切り!映画『ココ アヴァン シャネル』

映画を滅多に観なかった私ですが、この半年ほど時々映画を観ています。心境の変化?よく分からないのですが・・・あ、1000円の日にしか観てませんが(笑)。

で、今回『ココ アヴァン シャネル』を観てきました。きっかけは母が「シャネルの伝記映画をやるんだって。観てみたい~!」と言っていたから。母がそんなことを言うなんて珍しい。一体どんな映画なんだろ?と思ったら、近くの映画館でやっていたので観てみました。

すごいよかった!最初から最後まで魅入ってしまった!

孤児院に入れられた可愛い姉妹。(←母は死に父は米国へ行ってしまったためと後から映画の中で説明される。)長じて田舎のナイトクラブで歌手になるけどイマイチ。姉は男爵と恋愛して結婚を夢見て歌手をやめるが妹のココは夢と言うか成功を諦めない。この時点での「成功」というのは歌手とか女優とかショウビズの世界での成功?本人にもハッキリ「これ!」とは分かってない感じ。

結局、カネも行くアテもないココはナイトクラブで自分に目をかけてくれた貴族で金持ちのオッサンの家へ強引に転がり込む。そしてそこでいろいろと覚え勉強する。周囲の女性の服装が「すご~くヘン」と感じる彼女は自分が服飾に興味や才能があることにだんだんと気付いていく。恋にも落ちるetc.

物語はとにかく淡々と進み、最後の最後で華やかなシャネルのショーの場面がちょこっとあって、彼女が大成功を収めたことが示される。そして、エンディングのキャプションで彼女が死ぬまで結婚しなかったこと、死ぬまで働いていたこと、嫌いだった日曜日に死んだことが語られる。(日曜が嫌い=働かない日が嫌い、ということなのでしょうね。)

とにかくココ・シャネルの服装が格好いいのだ。男装したり(例えば男の乗馬服で男のように跨って馬に乗るのだ、女がやっていたあのヘンな横座りじゃなくて)、シンプルだったり、今の視点で見ても充分に格好いい。ボーダーのポートネックシャツとか着ていたけれど、あれってシャネルが着始めたものだったの?女性の服用にジャージー素材に目を付けたのがシャネルというのは聞いたことあるような・・・。今、当たり前のものはシャネルが作った。彼女は本当に本当に革新的だったのだ。

体を締め付けるきついコルセットを切った。帽子に付いたゴテゴテヒラヒラした羽飾りを切った。ズルズル長くて雑巾代わりに床掃除でもしてるような引き摺る裾を切った。長く重たい髪も切った。そして結婚も切った!私にはこの映画はシャネルが「切っていく」物語に思えた。ザクザクと切っていく。気持ちよかった。

今、シャネルのブランドの服なんて、バカ高くて普通の人に買えるような代物ではない。私なぞ買うことも着ることも一生ないだろう。私には関係ない世界の話でしょ、そう思っていた。

でも、ああ、今の私の服にもシャネルは大きく影響を与えているのだ。シャネルの影響を受けていない現代の女性の服なんてないのだ。それがシャネルの偉大さなんだ。

しかし、映画を観た後、ネットでいろいろ検索してみて驚いた。結構評判悪いのよ、この映画。話の内容が薄いとか、女優がブスで男優がイケメンじゃないとか、もっとコレコレこの部分について扱って欲しかったとかなんとかかんとか。

で、思ったのが、きっとみんなシャネルについていろいろ知っているのね!ということ。だからそれなりに出来上がった自分なりのイメージを既に持っていて、それと比べてしまうからいろいろ物足りなさとか感じたのでは?私は良くも悪くもシャネルについて殆ど何も知りませんでしたから・・・。

あ、それから結婚を切る物語って基本的に辛いという人も多いのかも。自分はシャネルのような特別の才能に恵まれたわけじゃないから結婚しないという選択はどうとかこうとか書いている感想があったよ。

特別の才能がなくても切ることもあるんです。切ってもいいんです。結婚だって。コルセットや羽飾りや引き摺る裾や長い髪と同じように。ましてや今は21世紀だってのにねー。ああ、しょうもな。
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by kiriharakiri | 2009-09-30 21:45 | 感想文