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60年代後半生まれの独身女が日々考えたことをつづります


by kiriharakiri
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経済格差と学力格差の鎖を断ち切るには

暫く前に、「脳内メーカー」というのが流行りましたが・・・それに準えれば私の現在の頭の中は

歌♪歌♪歌♪歌♪怒怒欲欲☆☆☆☆プラシド(60歳以下限定)歌♪歌♪歌♪歌♪

こんな感じでしょうか。この一ヶ月ブログが妙な路線を突っ走っているのもそのためとお察しください。

でも、今日は久々に「一般のニュース」を見て思ったことを書きます!(←一般のニュースを見聞することも著しく減ってはいるのですが。)

ニュースはコレです~↓

塾代を無利子融資、東京都が低所得世帯向けに全国初の試み

 東京都は今年度から、受験生を抱える低所得者世帯を対象に、学習塾の費用を無利子で融資する制度を始める。
 全国初の試みで、「親の経済力の格差が、子供の学力差に結びつかないようにしたい」としている。都福祉保健局によると、対象は中学3年生、高校3年生を抱える、年間の課税所得が60万円以下の世帯。例えば、夫婦と子供1人の3人家族の場合、年収320万円以下、子供2人の4人家族の場合は、380万円以下が目安となる。
 中3には年間15万円、高3は20万円まで無利子で貸し出す。また高3には、3校程度を上限に、大学受験料3万5000円(1校あたり)を貸し出す。進学が決まれば返済を免除することも検討している。融資の申請は、今年8月までに、各区市町村に設置する予定の相談窓口で受け付ける。(2008年4月17日08時50分 読売新聞)

テレビでもこのニュースを伝えているのを見たのですが、東京都の担当者さんがにこやかに語るには「今は7割以上の生徒が塾に行っており、教育上、塾は必要なものになっている。そんな塾に経済的理由で行けないとなれば親の経済力の格差が学力格差につながることになる。それを防ぐための制度です。」(←テレビで一度聞いただけなのであまり正確ではありませんが、だいたいこんな感じのことをおっしゃってました。)

えー、どうかなぁ、これ・・・と私は思います。

まあ、塾は学校と共存している、という点はよしとしましょう。私は「塾はなくなるべきだ!」とは思っていませんから。そして多くの生徒がそこに通っている、と言うのは「事実」です。そして、そんな塾に経済的理由で行けない生徒が、この制度によって塾に行けるようになり、ひいては学力をアップさせることが出来たら―――このこと自体は悪いことではないと思うんです。

でもこの制度の目的が「親の経済力の格差が、子供の学力差に結びつかないようにしたい」だというのはねぇ・・・大きく出たな・・・。

融資額が低すぎるのではないか、中3と高3だけ?、無利子とは言え返済しなければならない=結局は借金だし、等々の「どうかなぁ?」についてはここでは置いておきます。

このような少額の融資制度を作ったところで、親の経済格差によって「落ちこぼれて」しまった子供たちの多くが救われるとはちょっと考えられないのではないでしょうか。

今、親の経済格差は広がっており、ふんだんにお金をかけた教育を享受できる子供と、そうでない子供がいる。そうでない子供も勉学を続けられるようになってほしい―――と、それこそ自分に子供もいない私がお節介にも結構強く思うのは、自分の親が経済的理由で進学できなかったからです。

当時(1950年代)は、特に田舎では高校進学率もまだまだ低く(親が住んでいたのは「ド田舎」)、進学したいのに果たせなかった生徒たちは一杯いたはずです。そういう「無念」を失くせたら!と思うのです。私自身は、母が自分の二の舞を踏ませたくない!と思って就職してお金を稼いでくれたからこそ進学出来たと思っています。(塾には行っていませんでしたが。だって月謝高いし。遠慮してました。)

今回の東京都の制度は、こういうタイプの「経済的理由で進学できない生徒」には多少の助けになるかもしれません。でも現在の「経済的理由で進学できない生徒」は違うタイプの場合が多いのではないでしょうか?

つまり、教育的機能を全く果たせていない家庭が沢山あって、そういう家庭の子供たちは人としての基本的な「いろは」を身に着けていないため、まず「勉強する」ということが出来ず、だから九九なども覚えられず、一度「落ちこぼれ」ればその後もズーッと「落ちこぼれ」たまま、そのうち世間を拗ねて「自分なんかどうせ何をやってもダメ」なんて考えるようになり、当然「進学」なんかも真面目に考える気にならない・・・とか、そういった感じのことが多発しているのが現在の子供達の間で起こっている大きな問題の一つではないのでしょうか!?そして、この場合の「教育的機能を果たしていない家庭」は経済的に恵まれていないことが多い―――のではないか、というのは単なる私の推測なのですが・・・。

こういった子供達を救うのは、学校やソーシャルワーカー等の息の長い支援ではないかと思います。家庭がダメなら、そのほか(学校・地域社会等)が助けるのです。日本では個別・局地的にそういった支援をしている所はあるでしょうが、国としてそういうことをするという意思は全然ないみたいですね。とにかく時間もお金もかかるでしょうから、そういう形の支援は。お金を使っちゃいけない、公務員を増やしちゃいけない、というのが今の世の「正義」ですから。(それとも「民活」で支援可能ですか?)

あ~、東京都は何処見てんのかな~、と考えみますと、これは多分アリバイ作りなんじゃないでしょうかね。いや~、役所の出世した人・出世する人はアリバイ作りが好きだし上手ですよ~(民間会社でもそうなのかしら)。今回の制度も「子供のために」を考えて出てきたのではなくて、「経済格差と学力格差がパラレルってことで問題になってきているから、何かやっておかないとね」ってことで出てきたのでは?―――と推測するのは、ちょっと意地悪でしょうか。少ない予算で出来る限りのことを、と頭を捻ったんだ!と怒られるかな。でもねぇ。

ところで、もう一つ気になった点は、東京や都市部以外の地域では塾通いってどうなっているんだろう?ということ。そんなにふんだんに塾があるとも思えないけれど・・・となると、地域格差の問題も孕んでくると言うことか・・・。あ、これは東京都庁の人にとっては「管轄外」ですから、あれこれ批判するつもりはありません。
by kiriharakiri | 2008-04-17 23:16 | 社会一般