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60年代後半生まれの独身女が日々考えたことをつづります


by kiriharakiri
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Paul Potts : By Royal Command

いつも読んでいるブログ「金はないけど・・・うさぎやweblogのこのエントリにコメントしたら、返答のコメントにユーチューブのポール・ポッツ特集番組の中によく聞き取れない部分があるので、分かったら教えて―――とあったので、それを見てみたんです。

それがPaul Potts : By Royal Command という番組を5分割したもの。ブログで触れられていたのはパート4のごく一部なのですが、全部見ちゃいましたよ~。一つ一つが10分近くあって長いってのに!

とりあえずパート1はこちら。ポール・ポッツの成功物語ですね。いや、こんなふうに成功する人もいるのか~宝くじで1億円当てるより確立低いよー。スゴイです。

で、見てから今度はブログでリクエストされた部分を訳したりしたものだからこんな時間に。訳したのは、ポッツに批判的なオペラ批評家3人のうち、最後に出てくる批評家(デイリーテレグラフのオペラ批評家)の話している内容。パート4の冒頭部分です。

得意の使いまわし!彼はこんなことを言っています。

私たちはポール・ポッツと一緒にどん底まで落ちてしまっているようなものだ、私は本当にそう思いますよ。彼のアルバムは3分の1くらいまで聴いたのだが、いやもう、そこでスイッチを切るしかなかったです。それ以上耐えるのは無理でした。とてもとても醜く、魅力が無く、凡庸な歌い方だと思ったし、このCDが何枚売れたんだかと考えるとちょっと落ち込むくらいでしたよ。

人々はこう考えます。「ああ、彼は素晴らしいに違いない、だってオペラ歌手なのだから」と。でも彼はオペラ歌手ではありません。

人々はいつもこう言います。「こういう、ポールのような人は、人々をオペラへ誘う」と。でも彼らは人々をオペラへ誘ったりしません。

彼ら(人々)がオペラ全曲を聴きに劇場へ足を運ぶことはないでしょう。

彼はちょっと間抜けっぽく見えませんか?私は彼がそれを自覚すべきだと言いたいんです。私はそれが彼の「魅力」の一部だと思う。そうでしょ?

もし彼をコベントガーデンやスカラのオーディションの審査員の前に立たせてごらんなさい。そこにいる人たちはサイモン・コーウェルより歌についてずっとよく知っている人たちです。ポールは一次審査にも通りませんよ。

※サイモン・コーウェル=ポールが出場したオーディション番組の審査員の一人


―――う~ん、一理あるなぁと思いました。特に、彼がコヴェントガーデンやスカラのオーディションを受けたら?なんてところが・・・。(いや、デイリーテレグラフという権威に引きずられているだけか?でも他の二人のオペラ批評家の話にもやっぱり一理あると思った。)

ポッツ程度の歌手なら他にも沢山いると思うんです。そして彼らは日の目を見ていない。でもポッツは日の目を見ちゃった。たとえそれがテレビのオーデション番組経由だとしても、日の目は日の目。大成功は大成功。大衆はこういう成功物語(&それなりに美しい歌声)を欲していた、ということなんだろうな~。

彼の出たオーディション番組の様子は、この番組のパート1や2で少し出てきますが、製作側が「何でもあり」って言っているように本当に何でもあり。ワケ分かんないのがワンサカ。そこに彼の歌声が出てきたら、確かに映える。観客も感動すると思う。クラシック歌手のためのコンペティションに出ても、あんなふうには映えなかったと思う。だから、この番組を選んだこともポッツ氏の勝因の一つだと思う。

どんな世界も、人間の集まる所、嫉妬や足の引っ張り合いは付き物。クラシック歌手の世界も同様でしょう。(と言うか、そういうのが渦巻いているって確かドミンゴの著書に書いてあった。)彼の歌の良し悪しは私には判断出来ないけれど、彼が大衆を酔わせたのは事実。これから荒波乗り越えて行かねばならないだろうけれど、これからも大衆を酔わせて欲しいものだな~と思います。(しかしこの大衆ってのも移り気だけどな・・・。)
by kiriharakiri | 2009-01-06 00:10 | 音楽♪